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【ONE】青木真也インタビュー 〜2021年前半振り返り(後編)「10年前のONEの最初の大会はやっぱり息吹がありましたよ。それは未だに忘れていないです」

2021年前半で2試合戦い、2連勝した青木真也の今年の振り返りと10周年を迎えるONEへのメッセージのインタビューが主催者より届いた。青木はコロナ禍の2020年9月に行われたRoad to ONE 3rd Tokyo Fight Nightで江藤公洋と対戦し3-0で判定勝利し「蓋開けてみたら、ここまでの貧乏くじを引かされると思わなかったよ。日本の格闘技を盛り上げるというなら、俺がここで試合をしているのはおかしいだろう!??」と絶叫し、マイクをマットに叩きつけ怒りをあらわにした。2021年1月には北米の強豪ジェームズ・ナカシマと、4月には北米でも放送された大会で、フィリピンの英雄エドゥアルド・フォラヤンと3回目の対戦で、いずれも一本勝ちしている。


―― 現状のONEライト級戦線についてはどう思いますか?

「現状は、クリスチャン・リーが飛び抜けているから。だって全員に勝っちゃったんだもん。クリスチャンが抜けているから、挑戦者不在。だから、もしも上手くガチャガチャが回れば、誰に回ってくるか分からないからこそ、皆んな(タイトルマッチを)やりたいって言うんじゃない?でも、クリスチャン・リー以外は横一線であることは確か。


みんなぶっ飛ばされていて、よく(タイトルマッチやりたいって)言えるなって思っちゃう。だって、皆な負けてるじゃんって。僕も負けているんだけど、それでもちゃんと説得力あることをして、それで選ばれるんだったら良いけど。インパクトとか、説得力を残さないと話にならないなと思います」


――以前発表されていたゴードン・ライアン選手とのグラップリングマッチは、相手が健康上の理由でしばらく競技から遠ざかることになりました。ONEで“グラップラー”と呼ばれる他の選手の中で、グラップリングマッチで戦ってみたいと思う選手はいますか?

「結局僕は、MMAの中のグラップラーだから。グラップリングって言ったらまだ専門家じゃないと思う。今回みたいにやる人がいなければやるけど、別に(グラップリングマッチを)進んでやりたいと思うことじゃないですね。だって寿司屋なのにラーメン屋やる必要ないじゃないですか」


――青木選手はONEに所属して9年目。ONEは今年10周年を迎えます。10周年記念イベントの話がありますが、どんなカードが相応しいと思いますか?

「ONEの第1回大会のメインは、フォラヤンが背負っているんですよね。レアンドロ・イッサも出ていたのかな。その中で、10周年とかやるんだったら、(ONEが)大きくなってから来たスターもいると思うんだけど、最初からやって来た人、この時代を背負って来た人達、この時に看板背負って来た選手で、意味のある、歴史のあるものが出来たら良いんじゃないかなって思います。


このスーパースターと、このスーパースターがやったら美味いだろうみたいな。トロとステーキとウニを一気に食べるってことじゃなくて、もうちょっと意味がある、強弱がある、緩急がある、侘び寂びがあることがやれたら良いんじゃないのって思います。もちろん、これが黄金カードだ!って言うのもあって良いと思うけど、その場面でキーポイントになった試合、選手がいると思うから、そういう選手を入れたら良いと思いますけどね」


――ご自身は、ONEで試合をして9年目。これまでを振り返っていかがですか?

「やっぱり、僕、第1回大会を会場で生で観ているんですけど。その時に、東南アジアの格闘技に息吹や気運、期待感みたいなものを感じて、『これ、案外面白いじゃん』って思ったんですよね。まだ整備もされていなくて、模索しているような段階のあのONEが。もっと会場が小さい所でやってたりと、紆余曲折があって、大きくなって来て。そういうのは、10年前に見ていた時は全然想像が付かなかったけれど。10年前の最初の大会はやっぱり息吹がありましたよ。それは未だに忘れていないです」


第1回目の大会は、ゾロバベル・モレイラのサポートで行った。メインマッチは、ライト級でエドゥアルド・フォラヤンとクォン・アソルがメインだった。


第1回の大会でフォラヤンの試合を見ていた時に、もしかしたらこういうフィリピンの選手とか強くなって来るのかなと言うのを(当時受けたインタビュー)コメントで言っていたんですよ。フィリピンとか台頭して来るよって言っていて。それを言っていた奴が3年後、4年後に俺がぶっ飛ばされる訳だから。そう言う意味で、自分の見立ては間違えていなかったって思いますよ。だって、第1回大会で言ってるんだもん。こう言うやつ来たら俺たち日本人やられるよって言ってたら、まさか言ってたやつがやられるんだから。目は間違えていなかったなって思います。それが印象に残っているかな」


――秋山成勲選手との試合は?

「秋山は、トムとジェリー的に、お互いにきゃっきゃやっていると、話題になる。その意味で、お互いにきゃっきゃやっていたいというのはある。国内でやってみたいなって思います。シンガポール大会のワンシーンと言うよりも、日本で最初から作ってやりたいなって思います。でも、2人にとって良いことだと思いますよ。


この(青木と秋山の)ストーリーラインって(海外のファンには)伝わりづらいかもしれない。物語は、2005年、2006年くらいまでに遡るし。昔から(秋山選手に対戦呼びかけを)していたし。日本の格闘技の歴史上で言うと、桜庭・秋山まで遡るし、海外のファンに分かってもらおうと思うと、難しいかもしれない。

その意味では、秋山も僕もこの試合で活路があると思う。お互いに好きでも嫌いでもないし、あのヤローと思っているわけでもないし、でも試合になったらきゃっきゃするというのは、今の格闘技選手にはない感覚なのかもしれないし、何がプロかと言うと難しいけれど、お互いにプロっぽさがあると思う。会った時はお互いに挨拶し合うし。でも、ちょっとやる時はバチバチやるっていうのもいいんじゃないかな 」


――青木選手はプロレスでも活躍されていますが、MMAとどう行き来していますか?

「プロレスってすごく面白くて、最後のゴールが決まっているんですよ。そのゴールに向かってどう逆算していくか。それって、格闘技も同じだけど、最後はノックアウトする、首を絞めるというのがある。それをどう逆算していくか。もっと言えば、試合に向けてプロモーションや練習をするのも、どう試合に向けて逆算していくか。

当然その中にこうしたらいけない、こうなったら相手とおかしくなる、という約束事がいっぱいあって、それを守ってやっていくのが単純にゲームとして面白いんですよね。

だから、ゴルフに近いと思う。ゴルフって自分の飛距離とか、正確さとか、何個か柵を作って、積み上げて組み立てていく。それにちょっと似た面白さかと思う。だから、プロレスは好奇の目で見られるけど、ゴルフと一緒。文章を書くのも一緒で、理屈を詰めていくというもの。

特に、選手として年齢を重ねてきたので、格闘技では試合における制限が多い。わかりやすく言うと、打たれ弱くなっているとか。どこを汚しているとか、疲れやすくなっているとか。若い時よりも伸びないから、制限がつく。プロレスで言うと、技が使えなくなるのと一緒。この技が使えないという制限がつくと、より面白くなる。 だから、チェスというかRPGゲームのようなものだと思ってもらえるとわかりやすいかなと思いますね」

(C)ONE Championship

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